以前、企業経営支援をするNPO法人の代表の方に会いに行ったことがあって、いろいろお話を聞かせていただいた。その中で、「この事務所に自ら訪ねてきたり、電話してくる人なんていないよ。」と言う話になった。中小企業の経営者は忙しいので、なにか問題を抱えていても勉強したり相談しに行ったりという時間は無い、だからこちらから働きかけないといけない、ということだそうだ。個人的には反対で、勉強しないから、相談しないから忙しいんだと思う。困った、何とかならないか、相談してみよう、そう思ってもらえるようにする方向に努力したい。
以前HPの方にも載せたんだけれど、この曲線が私なりの真理だ。
横軸が努力だとか投資のインプット、縦軸が成果、リターン等のアウトプットだ。趣味でも仕事でも、最初はどんなに頑張ってもなかなかうまくいかない、結果が出ない、失敗する。そこを我慢して努力し続けることで急激にリターンが増えるポイントがある。そしてそのまま走り続けて徐々に伸びがゆっくりになる。それでも続けるとそれは職人やオリンピックの世界だ。努力でも投資でも、ダイエットでも、インプットとアウトプットが正比例すると勘違いするから挫折するんだ。
今の日本では多くの場合、左下の傾きのゆるやかな部分でくすぶっていないだろうか?人はいない、予算もない、決算は四半期ごと、そんな状況では超短期思考にならざるを得ず、結果アウトプットが高まる領域まで待てない。何かやってもすぐ中止、撤退。投資は回収できず、結果が伴わないからモチベーションも上がらない。趣味でも同じで、三日坊主でやめてしまうから楽しみが分からない。
損益分岐点を超えて急上昇する領域を今は成功体験などというのかもしれない。その経験がないから、趣味でも仕事でも「何とかしよう」「何とかならないか」と思えない。仕事なら政治や経済、趣味なら暑い寒いお金がない、そういったもののせいにしてインプットを続ける努力を放棄していないだろうか。
ちなみに設備投資だとか一般的なコンサルタントというものはこの曲線の右上の領域をもっと上側に持っていくものだ。
しかし左下にいる状態でそんなことしても効果はないことに気付かなければいけない。今やるべきは、この曲線を左側にシフトすること。結果が出始めるまでの期間を短縮すること。
これを頭に入れてから行動して欲しい。努力は裏切らない、というのは過去の話ではない。