オスプレイ配備問題はもっと突っ込むべき

オスプレイが連日話題だ。だけど今報道されている議論はとても浅く、新聞の見出しだけ見て賛成反対と騒いでいるような気がしてならない。基地問題が絡むので非常に複雑だけれど、こういう場合は一旦切り離して考えるべきだ。

そもそも「オスプレイは必要なのか?」。オスプレイはヘリコプターモードと飛行機モードを切り替えることで、ヘリコプターと飛行機の良い所取りをした機体だ。垂直離着陸ができて、従来のヘリコプターと比べて速度は1.5倍、作戦行動範囲は4倍、最大積載量は3倍(満載時は垂直離陸できず)、どうやるのかは知らないが空中給油が可能。尖閣諸島までも楽勝で往復できる。有事の時にヘリでは尖閣諸島まで行けないし、飛行機で行っても写真撮るくらいしかできないだろう。まさか今の日本が爆撃するわけにも行かないし。船では時間が掛かるし。災害時にも、このスペックは非常に有効だと思う。震災の時にあれだけヘリが役立ったことを考えれば、(ビルの屋上や空き地には着陸できないとしても)日本国内に配備されるのは悪い話ではないように思う。ここまでは技術の話だ。

次に「なぜ反対なのか?」。一般的には墜落等の事故が多いとか騒音がすごいとかだろうか。実際には他の軍用機と比べて多いというわけでもないようだけれど、実際墜落したのは事実。配備予定の普天間基地は海に面しておらず、どういうコースをとっても市街地上空を通過するのが痛い。住民からすればたまったものではないだろう。各務原の岐阜基地が近いので騒音がどういうものかは個人的にも頻繁に体感している。

これらから個人的な意見はこうだ。「オスプレイは何かの時のために日本に置いておきたい。何なら自衛隊にも欲しい。だけど墜落したら嫌だから日本が頼んだとき以外、市街地上空は飛んじゃダメ。どうしても基地外を飛ぶときは離着陸も含めて飛行機モードな!」そんなわけに行かないのは百も承知だけれども、条件としては理想ではないか?ご意見はあるだろうか?なぜ議論してお互いに歩み寄る前のスタート地点としてこういう意見が出てこないんだ。(実はローターが大きすぎて地面と接触するので完全な飛行機モードでは離着陸できないが横向きに飛ぶのと真上に飛ぶのとではリスクはぜんぜん違うと思う)

「100%の安全が確認されない限り配備は反対だ!」と知事が言っていた。アメリカは「あれは操縦ミスで機体の問題ではないことが判明した。」と答えた。日本は「人的ミスを防ぐ仕組みがないと駄目だ」と言い返している。そういうことじゃないだろう。100%の安全などありえないし、今だって壊れる可能性のある米軍機や自衛隊機、民間機が上空を飛んでいる。オスプレイがどうこうではないと思うのだ。「基地の外、市街地に落ちない対策を取れ!」と言うべきではないのか?オスプレイ配備を機に騒音基準や市街地上空での飛行高度、そして飛行ルート、こういったものを見直させるべきなのではないのか?せっかくの交渉カードを100%安全か否かのような無駄な議論で使ってしまってはもったいないし、ナメられるばかりだ。

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