美濃加茂市の旧中山道、太田宿で開催中のきそがわ日和に行ってきた。今も残る太田宿の古い町並みの中でアート作品を展示するイベントだ。初めてだったのでまずはグルっと散策。
太田宿といえば木曽川、そして大田の渡し。木曽の桟、碓氷峠と並ぶ中山道の三大難所だ。堤防から眺める木曽川は長良川とはまた違った趣き。雄大だ。ここがそれほどまでの難所なのだろうか?
と思って眺めていたら、ライン川下りの船が来た。手でも振りあったら楽しそう、と思っているうちにあっという間に通り過ぎる船。そう、実はものすごい急流なのだ。その後もラフティング?のゴムボートが真横向いてにっちもさっちもいかなくなっていたりと難所っぷりを発揮。木曽川怖い・・・
しばらく散策した後、太田宿へ。この地方で中山道というと太田宿と鵜沼宿、ともに街並みは綺麗に整備され貴重な建物も保存されている。(保存というか現役だ。)規模では劣るけれど、街並みならば美濃のうだつの町並みよりも趣きはあるかもしれない。
大名等の身分の高い人達が休憩した本陣の門。
その本陣の補助的役割の脇本陣、林家住宅。本陣を差し置いての国重要文化財。うだつが上がりまくりだ。(美濃で勉強したのでうだつにはうるさい。)
祐泉寺。さすが中山道の宿場にあるお寺、名だたる偉人の歌や碑が建ち並ぶ。松尾芭蕉の俳句碑、日本ラインを命名した地理学者の志賀重昴の墓碑、そして槍ヶ岳を開山した僧侶で太田宿で亡くなった播隆上人の墓碑などなど、大変由緒があるのだ。境内は掃き清められてピカピカ。いろいろ解説が書かれているんだけれど、毛筆の達筆すぎて読めない。太田宿にパンフレットがあるので先に入手しておくのがおすすめだ。
おそらく期間中のみだろうけれど、ひろばではマーケットが。アクセサリーや雑貨、衣類の販売やカフェが出店していた。いちいちオシャレ。
そして本題のアート。太田宿の古民家や店舗を利用して作品が展示されている。ポスターが目印だ。
古民家内と現代アートのコラボを満喫しつつ、街並みを散策する。撮影できないことが多かったけれど、イメージはきそがわ日和のホームページで。(※HPは今回の作品ではない)多くは作家さんが常駐していたので説明してもらうのも楽しい。こういうイベントだと肩肘張らずに入り込めるから気が楽で良い。
太田宿を離れた市役所よりにある、旧大垣共立銀行美濃加茂市店でも展示が。
レトロな建物の内部は一部コンクリートが崩れ、廃墟感満点。そこに展示されている作品とのギャップが素晴らしい。金庫の中にも展示があり、ゆえに金庫の中にも入ることができる。二階に上がると(その階段部分が作品なのだが)部屋全体が蔓植物に覆われている。すごい作品だ、と思ったらそっちはガチで外から侵食されているだけだったようだ。つい作品以外の部分に注目してしまったけれど、ここは普段は入れるのかな?
散策がてら気ままに歩きまわり、アートも街並みも木曽川も満喫。ただの展示ではなく、この場所・この街並みでやる意味がある、いいイベントだと思った。年に数回行われており、今回は明日9/2までの開催。普段なかなか芸術作品など見る機会がないし、かといってズブの素人にはギャラリーなどは敷居が高い。歴史と芸術が同時に楽しめるこういったイベント、ぜひ各地で開催して欲しい。