昨日のプロフェッショナルは塩こうじを世に出した女将さんのお話。塩麹、何に使ってもだいたい失敗がないので好きな調味料の一つだ。番組の中では経営難のこうじ屋をその女将さんが協力して立て直す、というようなシーンがあって、女将さんのアイデアで塩こうじを使ったソーセージなどを販売したりと工夫を始めていく模様が放送されていた。それなりに効果はあったようだけれど、やはり以前も書いたHOWではなくWHYをメインにアピールするともっと効果があったのではないか。
こういうレシピがあります、こうすると美味しいです、では訴求力が弱いのだ。「なぜ塩こうじなのか」をアピールする必要がある。例えば、塩こうじの塩分濃度は10%前後のことが多いようだ。ということは塩1gと塩こうじ10gで同塩分ということだ。切り身の魚を焼くとしよう。塩ひとつまみ(1g)をふってから焼く。片や全体に塩こうじをすり込み、しばらく置いてから焼く。小さじ1(5g)もあれば十分だろう。なんという事だ。塩分換算では塩焼き→1g、塩こうじ焼き→0.5g、半分ではないか!ちなみに醤油も塩分量10%前後のようだけれど、料理する人ならなんとなく同量の醤油では物足りなさそうな気がしないだろうか。つまり塩こうじは美味しいだけでなく減塩に適しているのではないか。
ところが現状で塩分を控える必要がある人は「塩」こうじをわざわざ選ぶだろうか。なにせ「塩」って付いちゃってるし。そこに「美味しいですよ!」ってアピールして売れるわけがない。
「お料理に塩こうじを使えば減塩できます。こうじの酵素で健康促進にも効果的です!」
という文句を見かけないのが理解できない。
参考:TEDトークより。サイモン シネック: 優れたリーダーはどうやって行動を促すか