ようやく中池の水が満水になった。何回か取り上げたけれど、外来魚駆除のために池干ししていたのだ。釣り好きとしては複雑なのだけれど、ブラックバス他、公式に特定外来生物として指定された以上やむを得ないとは思う。
個人的には子供の遊び場や、市民の憩いの場として整備された中池公園の池の水を抜いてしまっては景観やらなにやら悲しいので、もう少し配慮できないか、と新聞に投稿して取り上げられたこともある。毎年水抜きして、でも翌年も稚魚が確認されると「違法放流による」と端的に結論付け、また水を抜く。熱帯魚飼育しているものからすると、魚の卵なんてそんな簡単に干せないし、乾季の間を卵で乗り切る魚なんていくらでもいる。乾季が近付いて水位が減ると産卵する魚も多い。ブラックバスの繁殖期は春だから、なんてこと本当に言い切れるのか?せっかく岐阜には淡水専門水族館のアクア・トトもあるのに連携はしているのか?
一番納得いかないのは「日本のお魚さんを食べてしまう悪いやつ」と子供相手に教育していることだ。これははっきりさせておかないといけないと思うが、人間が持ち込んで、人間が増やしたんだ。自然の摂理で繁殖している生き物に対して「害魚」とは何事か!
生物多様性を維持する、というと聞こえはいいけれど、壊したのは人間であって魚ではない。その上で、本来の姿に戻そうというのなら、ちゃんと「人間のせいで外国にしか居てはいけない外国の魚が日本で増えてしまった。日本の魚を守るために、なにも悪くない外国の魚を殺さないといけない。これは大変悲しいことなので、将来同じ事を繰り返してはならない」とちゃんと理解するべきだ。
その類のNPOのホームページやBlogを見てみて欲しい。池干しの際は小学生や地元住人がつかみどり等で協力するわけだけれど、生き物に対する敬意が感じられない。明らかに、「悪を退治している」という快感を覚えていないか?
外来生物の駆除、やむなし。が、悪いのは魚ではなく、持ち込んだ人間だ。