生まれも育ちも関市なのに、そして徒歩10分の距離に住んでいるのに行ったことがなかった関の観光スポット、関鍛冶伝承館とフェザーミュージアム。最近、瀬戸の瀬戸蔵ミュージアムや川島のくすり博物館を立て続けに見学したのでいい機会だと思い、見学してきた。
まずは関鍛冶伝承館。
年に数回、日本刀の古式鍛錬を実演することで知られているけれど、内部でも日本刀製作工程や関の刃物の歴史についての展示が充実している。
まずはビデオで刀匠による鍛錬から柄・鞘作り、研ぎまで各工程を学ぶ。これがやたら詳しい。柄の中がああなっていたとは知らなかった・・・全部見ると結構時間がかかるが絶対見たほうがいい。
奥に進むと当然日本刀が展示されている。刃の鋭さといい、数百年立っても衰えない輝きといい、何度見ても本物感に鳥肌が立つ。
関市指定重要文化財「刀 兼元」室町時代の作で兼元の中でも最も技術的に優れていたとされ、関の孫六として有名な二代目兼元の作品だ。
この刃紋。関市のシンボルマークにもなっている三本杉。
ちなみに関の刀匠は原料の玉鋼は山陰地方から取り寄せていたと言われているが、豊かな海つくり大会を記念して長良川から採取した砂鉄で作られた日本刀も展示されている。関では珍しい直刃の刃紋だ。
2階には包丁やハサミなどの刃物の展示。百徳!ナイフやチタンのナイフなど珍しいものいっぱい。
さらにはヒトラー総督から送られた西洋兜も。これここにあっていいのか?大丈夫か?ちなみに関市はドイツのゾーリンゲン、イギリスのシェフィールドとともに刃物の3Sと呼ばれている。
外から見るとそれほど大きな建物ではないけれど、見終わる頃にはぐったりするほどの充実ぶりだった。これは観光の方だけでなく、関市民は定期的に訪れたいスポットだ。
続いて平和通りを挟んで北側にあるフェザーミュージアムへ。その距離徒歩5分。こちらは撮影ができなかったのだけれども、フェザーミュージアムというか髭ミュージアムだ。石器時代から古代エジプト、現代に至るまでの髭史は非常に面白い。例えば石器時代には既に黒曜石の刃物で髭をそっていたと考えられていて、その理由は衛生面や相手の表情を見分けるためだけでなく、当時の寿命では、髭が生える→寿命が近いということで、心理的理由で剃っていた可能性があるそうだ。また、ギリシャ人は髭を剃り、ローマ人は生やしていたので、「むさ苦しい奴らめ」「女々しい奴らめ」と喧嘩になるも、戦いの最中に髭をつかまれるとまずいのでローマ人も決闘のときは髭を剃ってしまうとか。古代から現代に至るまで髭や髪の毛が多いのが権威の象徴だったり、むしろ剃っちゃうのが貴族の身だしなみだったり、コロコロ変わるからかつらや付け髭が開発されたりと、素晴らしい珍道中ぶりだ。館内の所々に3Dビジョンとかなんとかそういう昭和の最先端な展示物が唐突にあるのもご愛嬌。(偏光グラスではなく赤青のフィルムのメガネのやつ)このミュージアムも一度は見ておくべきだろう。
電車、バス、自家用車全て可という素晴らしいアクセスと、安心して人に勧められる充実の内容の
割りに、知人に聞くとだれも行ったことがないというこのスポット、灯台下暗しではもったいないので是非ご覧あれ。