大袈裟なタイトルだけれども、クルマの話。車がコンピューター制御でいろいろアシストしてくれるようになって久しい。オートマチックトランスミッション、ABS、トラクションコントロール、電子スロットル。
クラッチ操作を省いて変速させる、タイヤがロックした時に断続的にブレーキを解除してハンドル操作を可能にする、雪道でスリップした時にエンジン出力を抑えて横滑りを防ぐ、発進時にガバっとアクセル踏んでもなめらかに発進させる、などだ。たしかに便利なんだろうけれど、ABSは制動距離が増すというデメリットを併せ持ち、トラクションコントロールの為のドライブ・バイ・ワイヤ(ペダルが機械的にスロットルやブレーキに繋がらずコンピューターが介在する仕組み)はブレーキ踏んだのに加速するという騒ぎに発展した。さらに最近の車はカメラを搭載し、追突しかけると自動でブレーキをかける用になった。たしかに非常用装備としては魅力的だけれど、何でもかんでも機械に任せて良いのか、自分の技術で責任を持たなくて良いのか、運転技術(メンタル面含めて)が低下していないか、気をつけなければいけない。そういった機能は人は「あれば使う」から。
恐らく、追突防止機能を渋滞時の自動運転機能として利用するドライバーが出てくるだろう。(そうしないために、「急ブレーキがかかる」仕様らしいが気にしない人はしないだろう。)ABSやトラクションコントロール、追突防止機能などの「無かったら事故っていた」機能は発動したらなにかしらペナルティーがあるべきだと思う。ABSが作動したら罰金1000円、という訳にはいかないだろうけれど、車検の時に作動回数を警察に通知される、とか、ゲームみたいに3回使ったらディーラーでお金払わないと次は作動しません、くらいのペナルティーを設けて「本来作動すべきではない」機能であるということをもっと周知するべきではないだろうか。
マニュアル車の頃は雪道ではセカンド発進だとか、タイヤがロックしたらペダルを緩めて踏み直すだとか、そういったテクニックを駆使していたはずだ。そういうテクニックを「車が勝手に対処してくれるから」といって身に付けずに運転する。結果せっかくのハイテク装備を持ってしても自己率が減って行かないという現状にもっと目を向けたい。